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そんなある日、知らない人たちが家に来た。
お坊さんとおばあさんとおじさんとおばさん。
みんな手に数珠を持っている。
お父さんのお参りにきたんだと思った。
お葬式の後はしばらくそんな風だったから。
そういえば、あれから家にお客さんが来るのは久しぶりだ。
お母さんはお茶を出したりお菓子を出したり、お酒の準備もしていた。
それから何故か僕の洋服やおもちゃを仏壇のある部屋に並べだした。
僕がその様子を襖の影からじっと覗いていたら、おばあさんだけが僕に気づいて言った。
「ああ、いるねぇ」
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