1.様々な事情

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「おいおい、自分の立場分かってんのか? 俺の命令に従わなかったらどうなるか、分かってんだろ」 「俺にだって渡したくないものはあるんだ」 川端は懐に隠し持っていた小型の拳銃を取り出す。 「そんなおもちゃで脅してるつもりか?」 岩本が怒り、ナイフで斬りかかるが拳銃は本物で川端が反射的をトリガー引く。 「ぐっ」 脇腹を撃たれた岩本は痛みのためうずくまっている。 「何でそんなもん」 川端は細かく震える銃口を岩本に向けたまま。 「あんたみたいなやつらと付き合うにはこういうモノも必要だろ」 「俺を殺すのか?」 「俺は生きるために金がいるんだ、あんたらみたいに遊びたいだけじゃない、邪魔をする奴を殺しても」 今にも2射目を引きそうな川端に岩本も痛みと共に恐怖を覚える。 「分った、もう余計な事は言わない、それでいいだろ」 「2度と俺の前に現れるな、でないとその程度では済まないぞ」 川端はそれ以上攻撃もしないが、救命もせず立ち去る。 「くそっ、痛てぇな、結構血出てるし、このまま死ぬのか」 岩本は薄れる意識の中で携帯に手を伸ばす。
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