1:イケメン女子の憂鬱

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(なぎ)って、本当にオレのこと好きなの?」 クラシックが流れる、喫茶店の窓際の席。 初夏の夕日が射し込む中、対面に腰掛けた恋人の義成(よしなり)が今にも泣き出しそうな顔をしながら問いかける。 ああ、まただ……。 これまで付き合った男たちから、このセリフを何回聞いただろう。 「好きだよ」 迷わずそう言えば、彼は満足してくれるんだろうか。 でも、私はその言葉を決して口にしない。 いや、正しくは口にすることができない。
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