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「うーん、舞さんがピアノを弾いている姿を見てステキだと思ったんです……」
「ピアノを弾いてる姿……か。はぁ。もし、これが既婚者相手でなければ、ステキなエピソードなのに、勿体ない」
「……すみません」
苦笑しながら、私は再びタバコに火を点けた。
「実は、舞さん。名前は伏せていたけど、アンタに振り回されたって……まるで、自分が被害者みたいにSNSに書き込んでてさ。前々から嫌なことがあるとグチを書き込む癖はあったんだけど……さすがに見過ごせなくて、喫茶店に呼び出したんだよ。浮気の恋をしたのは薙だけの責任じゃない。その気持ちを受け入れて、薙を求めた舞さんにも非があるんだから」
そうか。
だから、サンセットで向かい合っていた2人は不穏な空気を醸し出していたんだ。
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