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あまり酔えずにお店を出た私は玲那さんと別れ、駅前のコンビニの脇道でタバコを吸っていた。
やっぱり冬も近付いて、夜になると結構冷えるな……。
風が吹くたびに、ホットの缶コーヒーを左手に持ちながら軽く肩をすくめる。
「薙さん?」
「ん?」
不意に自分の名前を呼ばれて視線を向けると、そこには藤村さんが立っていた。
「こんばんは」
「こんばんは。さっきまで、諒子さんのお店で玲那さんと飲んでたんだよ」
「そうだったんですか。ごめんなさい。あたしは今日、亜美と出掛けていたので」
「あはは、謝ることじゃないでしょ。楽しかった?」
「……はい」
「そっか……良かったね」
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