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「薙さん、このあと少しだけ時間ありますか?」
「……うん」
「ちょっと待ってて下さい」
藤村さんはコンビニの中へ入って行くと、数分で缶コーヒーを片手に戻って来た。
「あたし……今日、亜美に告白されました」
「えっ?」
その言葉に動揺して、私はタバコを地面に落としてしまった。
咄嗟に拾って、脇道に置かれた灰皿に吸い殻を放り込む。
「何て、返事したの?」
「…………」
藤村さんは黙ったまま、私を真っ直ぐに見つめている。
この綺麗な瞳を私は何度も見てきた。
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