24:自分の気持ちに素直になって……

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私は深呼吸をしてから彼女の右手を掴んだ。 「薙さん?」 「高橋さんと……付き合って欲しくない……」 「えっ?」 「ああ! ごめん! 何言ってんだって、思われるかもしれないけど……」 そこまで告げると、藤村さんは拗ねたように頬を膨らませた。 「もう……やっぱり薙さんは、人誑しです」 「えっ、いや、そんなつもりは……」 「でも……そんなあなたが好きだから……いつか絶対振り向かせてみせますね」 「おっ、お手柔らかに」 自分は本気の恋なんてしないと思っていた。 誰かを愛するなんて、無理だと思っていた。 倫理に反した舞さんとの恋は結局上手くはいかなかったけれど、人生において必要無かった恋なんて、きっとありはしないんだ。 今度の恋は、ハッピーエンドになると期待して…… 私は微笑みながら缶コーヒーを飲み干した。
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