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中学三年になる鈴木街久(すずき・まちひさ)は、春休みの時期を活かして、街久のママとともに、県図書館へ行っていた。
住所のある北区にも図書館があるが、古いものの郷土資料展などの展示物がある県図書館は、静かで人が少なくて好きだった。
シャーロックホームズシリーズと、ジーヴズシリーズを、この春休みを活かして全部読破するつもりだった。
「ママあっ、帰りに美味しい物食べに行こうね?」
一緒に車で来てくれたママにそう言うと、「街久ちゃんのいう通りにするわ」とママはうなずいたのだ。
ママは好きだ。世界で一番好きだ。
ママはいつも清潔なシャンプーの匂いがするし、しわもほとんどないし、すっぴんでも綺麗だ。
いつも美味しいご飯を作ってくれる。
ママと結婚できるといいのに。あ、僕が政治家になって母親と結婚できる法律を作ればいいんだー。
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