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大志のいる病室に急ぐと大志はベッドの上で窓の外を眺めていた。
「大志!大丈夫か!?」
「旭……。俺、野球辞めなきゃ……」
俺は大志に近付く。
「どういうことだよ?俺と一緒に甲子園行くんだろ!?」
「目が……。目が見えないんだ……」
大志の左目は失明していた。
治る見込みはないと大志が教えてくれた。
「……大志が辞めるなら俺も辞める。大志のいない野球なんか、やってられるか!」
大志は、考え直せと言ったが、大志のいない野球などに未練はない。
夏の大会が終わると同時に俺と大志は退部届けを出した。
「旭だけでも残れよ」って先輩たちは言ってくれたが、大志の野球人生と一緒に俺の野球人生も終わったんだ。
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