3.ここから

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だってラクなのだから仕方ない。 お互いどんな相手といるよりも 気を遣わなくて済むのだ。 そう、異性であるにも関わらず 互いのマンションに出入りして、 朝まで飲んだり喋ったり。 それは時に祐奈や健介を 交えることもあったし、 他の誰かが加わることもよくあった。 とにかく私達は、 いつでも賑やかに過ごしていたのだ。 >結局、高橋さんって、 >どっちを狙ってるの? …他の女性社員たちから、 そんな質問を受けたのは 一度や二度では無い。 どうやら芳は、 傍から見るとイケメンの部類に 入ってしまうらしく。 健介の方も知的なイメージが浸透し、 一部の女子から絶大な人気を誇るとかで。 二大アイドルに最も近い女として、 美人の中原祐奈さんは当然ながら、 平凡な高橋雅のヤツはどうやって彼らに 取り入ったのか興味津々といった感じだ。 そんなとき決まって私はこう答える。 「芳…井崎くんには彼女がいるし、 橋口くんの方は仕事に夢中みたいですよ。 それに私、あの2人から、 女だとは思われていませんから」 …そうすると女子たちは必ず 同情の目でこちらを見て、 もう私を問い詰めることを しなくなるのだ。 うふうふキャッキャと 足早に去っていくその後ろ姿を見て、 ふと切なくなってしまう。
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