みかんとこたつと君と僕

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ピンポーン 「京平さん、みかん届いたよー。」 「ありがとう冴子、って、うちの母さんからか。 げっ、2人でこんな量食べきれないっての。」 「ふふ、そんなこと言わずに。 さっそくいただきましょうよ!」 「みかんと言えば!」 「こたつよね!」 最近の子はこたつより床暖房とかなのかな? なんて言いながら こたつまで二人で みかんが入った段ボールを わっせわっせと運ぶ 冴子は自然と、一つ、二つと剥いては 僕の元へテンテンと置いてゆく 「冴子、お前も食べろよ?」 「あ、ついつい。 なんだか、夫婦になって長いせいか 頼まれてもないのにアレコレしちゃうわ。 ごめんなさい。」 ふふ、と笑う冴子の顔を見ていると なんだか老けたなぁ、と感じた。 こんな癖がつくくらい 僕は冴子と過ごしてきたんだな。 「なら、僕が冴子の分、剥いてやるよ。 日頃の感謝を込めて。」 「あら、ありがとう。」 こたつで暖まりながら みかんをお互いに剥いて 向かい合って笑ってるこの時間が とてつもなく幸せに感じた。
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