星追い

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_________________________  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「やあ、これから予備校?」  まだ暑さの残る秋の入り。夕暮れ。繁華街へと続く道。  アスファルトをキャンバスにして、沈みゆく夕陽が時の移ろいを描いている。強烈な陰影の中に、何億と続いてきた昼と夜、何万と繰り返された四季のめぐりを、ぼんやりと輪郭に滲ませて。  呼びかけに顔を上げるやいなや、空から降り注ぐ盛者必衰の絵の具が、つうっと真っ直ぐに声の主へと走った。 「東堂。こんなところで何してんの?」 「別に。空を見てただけさ。やっと夏が終わるなと思って」  東堂 (たまき)  同じ高校の同級生。クラスこそ違うが、彼女と僕はある点でお互いをよく知る間柄だ。  東堂が腰掛けていたガードレールからすっと立ち上がると、街路樹の陰に溶け込んでいた姿が光のもとにあらわになる。半袖の白いシャツや短いスカート。そこから伸びる手足が夕陽色に眩しい。その光と陰の構図はさながらドラクロワ。太陽は巨匠の筆を持っている。
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