終わらない観覧車はなく

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 観覧者を降りると、楽しかった一日が終わる。終わりよければと言う言葉の意味が頭の中を駆け巡った。御互い観覧車を降りてからというものどういう訳もなくぎこちなく距離を取っていた。  遊園地が始まりのはずであった。これから休みを二人で嫌々な態度で満喫する予定であった。しかし、思いがけない結末と言うのは、まるでスコールの如くあっと言う間にやって来て辺りを変えてしまう。 「もう、会わない様にしよう。きっとその方が良い」  それを言うか否かを考えていた清士郎は面食らう。それは此方の台詞である、がまるで空気でも読み取ったかのように美月が突然帰りの途中で口を開いたのだった。御互い下を向いた。  どうしてこうなったのか、ただ楽しい時間だけを過ごそうと決めていたのに、どうしてこんな結末になってしまったのかが頭の中を何度も反芻し続けた。しかし、まるでそれは条件反射の如く清士郎の口から零れ落ちた。 「、、、、、、、、、、そうだね」  こんな事を言うつもりはなかった。どうしてそんな事を言うのかと聞こうと思ったが、口から出た言葉はただの肯定。言ったとたん自身の思考は止まり何処をどうやって帰ったのか、帰りに何を話したのかも覚えていない。  ただ、別れ際に美月が何かを言おうとしていた事だけがいやに印象に残ったのだった。
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