彼の現実(リアル)と、彼女との折り合いと

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彼の現実(リアル)と、彼女との折り合いと

 ーーーーーーーそれはまだ、二人が出会う前の話であった。  清士郎は今日も一人で教室の外を眺めていた。彼が何をした訳でもなく、彼がこの教室に置いて一人の友達が居ない事もまた事実であった。全く友人が居なかった訳では無かったが、結局は自分から皆離れていった。  人とは面倒事や嫌な事に巻き込まれるのは御免だと思い、そういった人物を排除まではしないにしても、距離を置き触らない様にする事は社会においても学生に置いても常である。 「なぁ、これ同じ学年のクラスの、、、、、、、、」 「担任が悪いんじゃないのそう言うのって」 「、、、、、、、、あるあるじゃない?でも結局、妻子ある身でって時点でアウトかと」  今日はクラスが騒がしかった。自分はこのクラスにとって異物であり、本当であれば取り除きたい排除要因である。故に、自分に関係ない話題と言うのは自然とクラスから溢れ出るものであった。  教師が不倫をしたとの事である。ただそれだけの、何処にでも有る思春期の学生が興味をそそる議題であった。そう、これは自分には関係の無い話である。 「、、、、、、、、でさ、その相手が生徒だったんだって」  ウルセェな、話は帰宅時にでもやれよ。学校は俺にとっての睡眠の場である。お前らの様に家に帰って御飯が当たり前に有る家の連中とは違うんだよ。これだから学生(ガキ)って奴は。って俺も学生だったか。 ーーーーーーーー今日も教室は混沌で溢れていた。
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