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「何だてめーは? お前も、こいつみたいにしてやろうか?」
「面白い、やってみろよ」
「ちょっと、西園寺さん。邪魔しないで! 私の美咲さんに手を出したのだから、私がやるわ」
「西園寺? ちょっと、まずいよ。こいつ、林田だよ」
「林田? 林田って、あの林田?」
やはり、西園寺さんは一部の方には有名なようで、鋭い眼光で睨まれた女子高生グループはすでに、戦意喪失しているようで、何人かは足が震えていました。
「それで、誰から私の相手をしてくれるんだい? もちろん、ただでは帰さねぞ」
「……」
「西園寺さん、もういいですよ。私も大した怪我ではありませんし、私たちもうるさかったのは事実ですから」
「……。美咲がそう言うならわかったよ。ほら、お前ら、とっとと失せな」
「すいませんでした」と言い、女子高生グループはそそくさと、お店を出て行きました。
私はOL風の女性にお礼を言って、テーブルに戻りました。
もちろんその後、まゆりさんと西園寺さんが言い争いをしたことは、言うまでもありません。
その日の夜。
お母さんとの進路の話し合いは、結局答えが出ないまま保留となりました。
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