弁天堂美咲と円環世界《トラースワールド》02

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 何とか遅刻は間逃れたものの、全速力で走って来たため、髪は荒れ放題。汗はびっしょりで、すでに帰ってシャワーを浴びたい気分です。  こんなことなら、ゆっくりと朝食をとっていないで、早く家を出ればよかったでした。  「――と言うことで、立候補もいないのでくじで決めたいと思います」  「――まゆりさん、くじって何?」  「美咲さん、聞いていなかったのですか? 週末の地域清掃に、各クラスから二名ださなければならないらしくて、それをくじで決めるそうよ」  「へーそうなの」  席順にくじを引いていき、窓際の後ろから二番目の私のところに順番が回ってきた時には、残り二枚。すでに、一人は当たりが出ているので、この二枚の内どちらかが当たりとなります。  右か左か――。正直、週末の地域清掃には参加したくないので、ここで当たりを引くわけにはいきません。  「弁天堂さん。ホームルームが終わってしまうので、早く引いてもらえない?」  「あ、ごめんなさい」  優柔不断の性格が災いし、委員長に迷惑をかけてしまいました。とにかく、後は天に運命を任せ、私は左のくじを引きました。  「あ!」  「決まりね。最後の一人は弁天堂さんってことで、以上でホームルームを終わります」     
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