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何とか遅刻は間逃れたものの、全速力で走って来たため、髪は荒れ放題。汗はびっしょりで、すでに帰ってシャワーを浴びたい気分です。
こんなことなら、ゆっくりと朝食をとっていないで、早く家を出ればよかったでした。
「――と言うことで、立候補もいないのでくじで決めたいと思います」
「――まゆりさん、くじって何?」
「美咲さん、聞いていなかったのですか? 週末の地域清掃に、各クラスから二名ださなければならないらしくて、それをくじで決めるそうよ」
「へーそうなの」
席順にくじを引いていき、窓際の後ろから二番目の私のところに順番が回ってきた時には、残り二枚。すでに、一人は当たりが出ているので、この二枚の内どちらかが当たりとなります。
右か左か――。正直、週末の地域清掃には参加したくないので、ここで当たりを引くわけにはいきません。
「弁天堂さん。ホームルームが終わってしまうので、早く引いてもらえない?」
「あ、ごめんなさい」
優柔不断の性格が災いし、委員長に迷惑をかけてしまいました。とにかく、後は天に運命を任せ、私は左のくじを引きました。
「あ!」
「決まりね。最後の一人は弁天堂さんってことで、以上でホームルームを終わります」
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