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弁天堂美咲と円環世界《トラースワールド》03
「何でだ? 別に構わないだろう、美咲?」
「ええ、構いませんよ」
「ほら、まゆり。美咲もこう言ってるし――」
「西園寺さん! はっきり言っておきますけれど、私は美咲さんのことを愛しているわ。だから、二人の間を邪魔しないで!」
「ふーん。まゆりはあれか、レズなのか?」
「そうよ! 何か文句でも」
「いや、別に文句はないよ。いいんじゃないか」
「……」
予想外の返答に、まゆりさんも私も言葉を失いました。しかし、西園寺さんの言葉の意味はすぐに解りました。
「美咲は何て言うか――、人を惹き付ける魅力があるよな」
「魅力なんてそんな……」
「女性らしい雰囲気で、髪も身体も柔らかそうだし、指だって細くて綺麗だし――食べたくなっちゃう」
「!?」
西園寺さんはそう言って、私の指を舐めました。舐めると言うよりは、厭らしく指をしゃぶっています。
その上手さたるや――、手馴れているようで、正直気持ち良くなっていました。
「ちょっと、いつまでしゃぶっているの? 離れなさい!」
「何だよまゆり。ケチだな。それとも、まゆりもしゃぶって欲しいのか?」
「な、何に言っているの? あなたも、レズなの?」
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