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「まあー、レズって言うよりは、バイかな? バイセクシャル」
衝撃のカミングアウトはともかく、私の周りにはまとも友人がいないようで――。
「おい、さっきからうっせんだよ!」
テーブルを一つ挟んで座っている、女子高生グループの一人からでした。
「何ですのあなた達は? あなた達の方が、さっきからうるさいんじゃなくって?」
「ちょっと、まゆりさん」
「なんだと!」
まゆりさんの言葉に怒っようで、女子高生グループが私たちのテーブルへと近づいて来ました。
「おい、もう一回言ってみろ!」
「何度でも言いますわ。うるさいのは、お互い様でしょう?」
「て、てめー!」
「ちょ、ちょっと待ってください」
女子高生グループの一人が、まゆりさんの胸ぐらを掴んだので、とっさに間に割って入りました。
しかし「うるさい」と突飛ばされ、私は床に倒れてしまいました。
「大丈夫ですか?」
倒れた私に、OL風の女性が近づいて来ました。手を少し擦りむいてしまったようで、それを見たOL風の女性はポケットからバンソウコウを出して手当てをしてくれました。
「おい、お前ら。私の友達に何してくれてんだ!」
ドスの効いた声で、それまで黙っていた西園寺さんが、口を開きました。
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