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将来が見えなかった。 柔道でインターハイで優勝はしたが、オリンピックという舞台までたどり着けるのか- そんな疑問を素直に言葉にした。 いくつもの大学からスカウトにきた。 そんな中、柔道部の監督が紹介したのは大相撲の親方だった。 「俺も同じ疑問があったよ。大学に行きはしたが、その気持ちはあった。 結果、中退して大相撲に入門した」 と、その親方は語った。 「柔道と相撲の違いに最初は戸惑ったが、相撲に全てを捧げる覚悟で毎日を過ごした。」 監督は「結果、親方は最高位の横綱になった。」と付け加えた。 親方は首を振った。 「なんとかたどり着いた」 親方は続けた。 「すぐにとは言わない。覚悟があるならウチに来ないか?鷲井君。」 鷲井は頷いた。 「少し考えさせて下さい。」 親方は頷いた。
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