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「それにしたって時間が無さすぎる。ある材料でできるだけ頑丈には作るけれど──失敗するかも知れないわよ」
「それは引き受けてくれるということでいいのかな?」
ブレンディは静かに聞き返した。
メルラは仕方ないからと前置きして、髪の毛を結び直すと椅子から降りる。
「朝までに仕上げるわ。待ってって」
それだけ告げてメルラは扉の向こうへ消えた。
「さて、私たちはどうする?」
ブレンディの問い掛けにアストは悩んだ。
悪魔がいつ攻めてくるか分からない。
フィリンのことが心配だった。
「私は道具ができるまでここに居ります」
ティアラが言った。
「私としてはここの武器を借りて城に行こうかと思っている」
ブレンディとティアラの意見が別れた。
アストは一拍置いてからふたりに答える。
「僕は城に向かうよ。フィリン姫が心配だから」
「わかりました。ではここで一旦別れましょう。悪魔と戦う術が見付かっただけでも相当の進展です」
「成功するかは僕らに掛かってるようだけど、大丈夫かな」
「弱気になってどうするのですか、メルラさんを信じて、今は待つしかありません」
ティアラは毅然と言い切った。
アストはというと不安ばかり募らせていた。
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