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「サバイバルといいますか、旅には憧れていました。そうそう資金は旅先で集めます。持ち合わせは最小限にすることがベストです」
「楽しそうだね」
「そんなことは──あります」
荷物を鞄に入れてティアラは振り替えると笑いを堪えているような表情をしていた。
「──不謹慎ですね」
「ティアラは残ってもいいんだよ?」
「私は悪魔を殺したいのです。これは言わば復讐で弔いです」
ティアラの意思は固いようすだった。
無理に置いて出てもひとり乗り込みそうな勢いだ。
アストはティアラを心配したが主発前からこれではと思い直した。
「悪魔と戦うことになるなんて思いもしていなかった」
「アストさんの運命だったのですよきっと」
「僕のことは呼び捨てでいいよ。僕もティアラと呼んでいい?」
「ええ、構いませんよ。改めてよろしくお願いいたします」
ティアラが笑窪を覗かせた。
ふたりが旅の準備を済ませる頃には空が白んでいた。
最低限の荷物を抱えたふたりが、メルラの店に戻ると、既に額縁が出来上がっていた。
「それとこの拳銃を持っていきなさいな」
メルラがアストにつき出した拳銃は、リボルバーであった。弾が既に五発、装着されていた。
「替えの弾は無いからね。考えて使いなよ。ここが安全装置だ。はずすのを忘れないでね」
メルラは丁寧に操作方法をアストに教えた。
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