2章 悪魔の住む都

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「まだ、炎を作れるようになっただけなのに」 「そんなことを言っていては悪魔に殺されてしまいます。あと三日しかないのですよ?」 「他に悪魔を倒す方法はないの?」 「剣を取りに行く方法はあります。けれども姫様のところに着くまでに迂回せねばなりません」 「迂回をするとどれだけ時間がかかるんだ?」 「一ヶ月は掛かります。姫様のことがある以上、遠回りはできません」 「けれど矢継ぎ早で覚えた魔術と拳銃だけで太刀打ちできるとも思えないんだ」 「それでも一ヶ月という時間は悪魔にも気が付かれてしまう可能性があります」 「気付かれて襲撃してきた方がいいのでは?」 「それも微妙な選択です──勝てない可能性の方が高いこの状況で襲われるというのは怖いです」 「ごめん。僕のせいだね」 「そんなことはありません。ただ、その拳銃がどれだけの威力を出すかにもよります」 拳銃をアストは腰につけていた。 「確かに使って見ないとわからないことではあるんだけれど 」 「宝の持ち腐れにならないように一度使って見るというのはいかがでしょう」 「それはいいけれど何を撃てばいい?」 「そうですね、岩とかいかがでしょう?」 「岩、か。今はやめておこう。ブレンディが眠ったばっかりだ」 拳銃を手にアストは思うことを口にした。
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