2章 悪魔の住む都

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拳銃はメルラ貰った。 銃弾が限られているので試し撃ちも際どい。 それでも使ってみないことには本番で役に立たな い。 重さが掌にある。 「私が悪魔を倒して全てを終わらせるのです」 「そこまで悪魔を憎んでいるのだね」 ティアラは頷いただけであった。 風が吹く度に炎が揺れた。 ティアラが片手で編み出した光にアストは見とれる。 「アストも作ってみてください」 「行きなり言われてもなあ」 「こう言うものは手早く作れないといけないのです。魔力を持っているならなおさらです」 アストは拳銃を腰のフォルスターに仕舞って構えを取る。 集中すること数分。 やっと光が浮かび上がる。 「遅すぎます。もう一度」 ティアラは光を消すと炎を作り出して夜に浮かべた。闇が明るく照らされる。熱が広がって昼間のような温かい空気が充満していた。 「僕の得意な魔術はきっと水だよ」 アストは両手から水を湧かせた。光とは違って数秒も掛かりはしなかった。 「なぜ、水だと?」 ティアラは興味津々と尋ねてくる。 「家系かな」 アストは歯切れ悪く答えた。 夢の内容が込み上げてくることが良くわかる。 母の面影も浮かんでくる。 「家系ですか──水が得意なら氷も扱えるはずですね」 ティアラは深くは聞いてこなかった。アストにはそれが落ち着いた。
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