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「私はいつでも狙われています。対抗くらいできなければなりません」
「僕は魔術師のことをなにも知らないということか」
アストは奥歯を噛み締めつつ、ティアラに続く。
ブレンディがアストの後ろを走っていた。
次の入り口を開いたティアラが足を止めた。
階段がふたつある。
アストは階段に石を拾って投げ付けた。
右側の階段に石が吸い込まれて消える。
「幻影?」
ティアラが呟く。
「このまま上に行くか、吸い込まれてみるか。どうする?」
ブレンディが悩ましげに口を開いた。
「別れるのは危険だと僕は思う」
「私もアストに同感です。まず上を探しましょう」
ティアラが言えばブレンディが賛同する。
アストも否定はしなかった。
三人は階段を登って二階に出た。
二階の通路が波打って三人がよろける。思い思いに跳ねあげられてアストは床に叩き付けられた。
ブレンディがティアラを支えている。
床が波打っていては、前には進めない。
本木た階段を降りようとしたが、階段は消えてスロープになっていた。
アストは足を滑らせて転がり落ちる。
派手に身体を打ち付けて悶えているところに稲妻の追撃を受けた。
一瞬、気が遠退く。
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