2章 悪魔の住む都

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「私はいつでも狙われています。対抗くらいできなければなりません」 「僕は魔術師のことをなにも知らないということか」 アストは奥歯を噛み締めつつ、ティアラに続く。 ブレンディがアストの後ろを走っていた。 次の入り口を開いたティアラが足を止めた。 階段がふたつある。 アストは階段に石を拾って投げ付けた。 右側の階段に石が吸い込まれて消える。 「幻影?」 ティアラが呟く。 「このまま上に行くか、吸い込まれてみるか。どうする?」 ブレンディが悩ましげに口を開いた。 「別れるのは危険だと僕は思う」 「私もアストに同感です。まず上を探しましょう」 ティアラが言えばブレンディが賛同する。 アストも否定はしなかった。 三人は階段を登って二階に出た。 二階の通路が波打って三人がよろける。思い思いに跳ねあげられてアストは床に叩き付けられた。 ブレンディがティアラを支えている。 床が波打っていては、前には進めない。 本木た階段を降りようとしたが、階段は消えてスロープになっていた。 アストは足を滑らせて転がり落ちる。 派手に身体を打ち付けて悶えているところに稲妻の追撃を受けた。 一瞬、気が遠退く。
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