Chapter .1

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  車イスの青年と、   その母親の後を追った “流美” は   いつしか、   『家族』 が住んでいる   “家” に辿り着いた。   流美は、   心配そうな面持ちで   スゥッ…と、   ドアをすり抜け   中へと入って行く。   すると、青年の父親が   玄関の “上がり段” に   腰を掛け、そわそわしながら   “二人” の帰りを待っていた。  「 おぉっ…!    やっと来たかっ……、    俺っ… こ、これから……    瑞穂達が運ばれた病院に…    行ってくるからなっ…!    急ぐからっ、    もう行くぞっ…!! 」   青年の父親はそう言って、   直ぐ様玄関を飛び出して行った   のであった。   ( あっ…!?    行っちゃった………。    ……おそらく…… あの人が…    瑞穂さんの “お兄さん” ね…。)   流美は、   慌てて車に乗り込もうとする   青年の “父親” を見つめながら   思っていた。   すると、  「 颯太っ…!    ………颯太っ…たらっ!! 」   母親が、   自室へ戻ろうとする青年を   何度も呼び止める。   しかし   青年は “それ” を無視し   無言で部屋に入ると、   中からドアに “鍵” を掛けて   しまったのである。                         
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