Chapter .1

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  すると、青年は   息を荒げて頭を掻き毟り始めた。   そして青年は   震える手で、   机の “引き出し” から   『カッター』 を取り出した。   それを傍らで見ていた流美が、  ( ……どうするつもりっ…!?   まっ、まさか………   じ… 自殺!? )   そう、不安を募らせた瞬間   青年が、   自分の 『左手首』 に、   カッターを当てがった。   流美が感じていた “不安” は   的中してしまったのである。   青年は、  「 うあ”ぁ”ーーーーーっ!! 」   奇声を発して、   カッターの “刃” を   手首に押し付けた瞬間  ( はっ…!! そうよっ!   き、きっと… これがっ、   私に課せられた……   『最後』 の… “試練” だわ! )   咄嗟に思った流美は、  「 ニャーニャーニャーっ…!! 」   と、青年に向かって必死に叫んだ。   すると、青年は   “流美の声” に気付き   驚きのあまり、仰け反った。   その時、青年は   持っていた “カッター” を   床に落としてしまったのである。   そして、  「 う、うわぁっ!!    お……… お前っ、    あっ、 “あの時” のっ…! 」   青年は、   固まったまま   流美を “凝視” した。      
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