Chapter .1

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  青年は   流美を捕まえようと、   体勢を低くした。   その時、流美は思った。  ( ………まだっ、   私の事が… 見えてるっ…!   見えている…という事はっ……、   “危険な状態” がっ……   続いている…という事だわっ!   どうすればいい…!?   ……と、とにかくっ   このままっ… 家の外に出ようっ!   えいっ…!! )   流美は   青年の家から飛び出すと、   何度も後ろを振り返りながら   宛てもなく、   ただ、ひたすら走り続けた。   すると青年も、   “流美の姿” が気になり   必死に追い続けるのだった。  ( ずっと… 追いかけて来るっ…   ……んっ!?   でも… 少し… 様子が変ね…?   こっちに来ているのは…   分かるけど………、   何だか… 私を見失っている様な   気がする………。   ちょっと… あの子の方に…   戻ってみよう……… )   宛てもなく走り続けた流美は、   いつしか、   青年の家から少し離れた   “大通り” の ”大型デパート”   の前に辿り着いていた。   流美の事を探しているのか、   青年は辺りをキョロキョロと   見渡している。   その時、流美は   “ある事” に気付いた。  ( ……んっ?   あの子の所へ……、   誰かが… 近付いて来るっ!   あっ、   何か… 話してるっ……、   ………あの青年と…、   同じくらいの “歳” … かなぁ…?   知り合い……?? )   気になり出した流美は、   “彼等” の元へ   更に近付いて行った。           
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