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菓子作るのだって結構かかるんだぞと言うと、兄と弟と母から千円ずつ渡された。
「ケーキで!!!」
こんだけ甘いもの前にしてまだ食いたいのか。
「週末だぞ」
「イエーイ♪」
万歳する3人を呆れながら見てると玄関先で呼ぶ声がした。
「おじゃましまーす」
色とりどりの袋をひっさげて来たのは、同じ製菓コースの幼なじみ。
「じゃあ、部屋行くから」
「はーい。ゆうなちゃんコーヒー? 紅茶?」
「食べ比べするから水と紅茶で」
次男と幼なじみが2階に行ったのを見届けた兄弟と母親はやれやれと首を振る。
「いつになったらゆうなちゃんの気持ちに気づくのかねぇ、あのお菓子バカ」
「自分で買うの恥ずかしいからって、毎年新作をゆうなに買いにいってもらってるんだろ? チョコ見たいならイライラしてないで、一緒に見に行けばいいのに」
「ねぇ、ちぃ兄、あの中に手作りが混ざってることにホントに気づいてないのかな?」
2階から「どうやったらこんな味出せるんだよ!」と聞こえてくる。
リビングの3人は「ほんと、バカ」と呟いた。
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