0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
放課後の事である。
帰宅の準備をしているところに友人が憂鬱そうな足取りで近付いてきた。
「我等非モテが忌むべき如月のイベントが近いな同志よ。何か妨害策でも思い付いたか?」
「いや、俺はバレンタインは大好きだよ」
友人は不審極まりない表情でこちらをまじまじと覗きこんでくる。
「…どうした? 何かあったのか? 頭でもものすごーく強く打って自分がモテモテ君にでもなったと思い込んでいるのか!?」
「いやいやいやいや、よく考えてみろよ。タダでチョコが食べられるんだぜ? 義理なんだから御返しの必要性ないし」
「…そうか、もはやそんなステージに到っていたのか。流石だ」
そう言って友人は何とも言えない様子で離れていくのであった。
最初のコメントを投稿しよう!