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それから暫くしてようやく俺が落ち着いたところで、時雨様は今日の儀式についての説明をした。
俺が伴侶となるために必要なことは2つ、1つは時雨様の真名を知り、呼ぶこと。2つ目は時雨様の魂の一部を俺の中に入れることだ。魂が入ると体の一部に印が浮かぶらしい。
魂を入れるというのがどうにもよくわからず方法を聞くと、口移しで入れるらしい。キスをするという事実ににまた俺は真っ赤になってしまう。すると、時雨様は少し申し訳なさそうに、本来の蛙の姿でなければできないと打ち明けた。
できれば嫌わないで欲しいと言いながら、時雨様の姿が霧のように溶けてなくなりその霧が再度集まり始めたなと思ったらそこには茶色い色をした、1.5メートルほどの蝦蟇ガエルが居た。
これが時雨様の本当の姿か、等と思い見ていると、頭の中に直接声が響く。
【これが、我の真の姿だ、幻滅してしまったか?】
「別に、女の子じゃないですから、蛙こわーいとかいうのは無いですよ。それより触ってもいいですか?」
俺は男だしな。別に蛙に嫌悪感とかはない。スッと頭を差し出された気がしたので手を伸ばしてぺたぺたと頭を撫でる。
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