本編

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大の男にピンクのお花の模様は少し恥ずかしい、けれど、時雨様がさも愛おしいというようにその模様を撫でるのでどうでも良くなってしまった。 「しばらくは神界と人界の行き来になろう。今日のところは休まれよ。」 時雨様がそう言う。行き来とはどういうことか聞くと、時雨様は俺の体が向こうにあうようになるまで時間がかかるのでそれまでは向こうに居続けることができないため、こちらにちょくちょく戻ってくるという事らしい。 事前に伝えられなかったことに関してはそれはもう丁寧に謝ってくれたけど、決まりがあって破ると神様であれ、もう2度とこちらの世界に来れないということだったので、仕方がないと思う。 俺の父母のことを考えると甘いのかもしれないけど、二人には手紙か、直接会いに行くかして早く謝りたい。それにこんなに幸せだって伝えたい。 そう、疲れから来る微睡みの中思った。 これは神界でも指折りの鴛鴦夫婦と言われた、蟇の夫婦の馴れ初めの話。 終
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