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番外編
お社様の森2
時雨様のところへ“お嫁入り”をしてしばらく経ってようやくこちらの生活にも慣れた。
最初のうちは、俺自身が神域であるこちらの世界になれることができず、お社とこちらを行き来していた。
文字通り空気が合わないというか、体の作り変えには時間がかかるらしく、こちらにいると息苦しく、喘息のような症状が出てしまっていた。
体調的には苦しくはあったが、二度と会えないと覚悟をしていた両親ともまた会うこともできたのでそれはそれで良かった。
宮司となった彼方とは手紙の交換をしている。
自分自身ではあれからさほどたっていない感覚であるが、時の流れがあちらとこちらでは違うため、すでに彼方は成人したらしい。
懐かしさと少しの寂しさを感じながら彼方からの手紙を眺めた。
感傷的になっても仕方がないと、手紙をしまうと料理を習う約束になっている隣の家へ向かう。
ただ、隣といってもかなり距離がある。
時雨様の屋敷は集落のはずれにひっそりと建っているので仕方がないことだ。
しばらく歩いて、隣の狼の神様の家に着いた。
引き戸を開けて声をかけると中から一人の青年が出てきた。
首元に白い花の模様がある、男前の美青年だ。
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