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赤面しそうになりぶんぶんと首を振る。
考えるのはやめよう。
少し子供たちと遊んでから、料理を教わった。
作った煮物は容器に詰めて持ち帰らせてもらうことになった。
少しお茶でもと言われ、断る理由は何も無いので轟さんと二人縁側に座ってお茶を飲む。
子供達は庭で丸くなって寝ている。
もこもこのふわふわでとてもかわいい。
「こちらでの生活には慣れましたか?」
「はい、おかげさまで。」
ニコリと微笑を浮かべながら轟さんは言った。
「何か心配事でもありますか?」
何でもお見通しということだろうか、それとも俺が分かりやすすぎるのであろうか。
黙っていても仕方が無いので、おずおずと口を開いた。
「あの、“お嫁様”というのはどの神様の場合でも、その轟さんのように本当の夫婦になるものなんですか?」
俺の質問に対して、轟さんは少し表情を曇らせて
「蛙神様がお嫌いですか?」
と聞いた。
俺はあわてて首を振った。
「嫌いなわけ無いですよ。……俺は彼の事が好きですから。」
「であれば、何も心配することは無いと思いますよ。寄り添っていれば、後は自ずと時間が解決してくれますよ。」
そう言って、轟さんは笑った。
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