番外編

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* * * 今日作った煮物と、お土産にと持たされた色々な料理を持って帰途につく。 玄関の扉をあけるとそこに金色の目が光っている。 「ただいま帰りました。明り位つけませんか?」 「我は夜目がきくから必要ない。」 「俺は何も見えないので、明りつけますよ?」 入口にあるスイッチを入れる。 電気は通っていないはずなのだが、何故かスイッチを入れると明りがつく。 おそらく時雨様が俺のために準備をしていてくれたのであろう。 そういう心遣いがひどく嬉しい。 「今日は煮物を練習してきました。」 風呂敷包みを持ち上げながら時雨様に言った。 「狼の所へ行っていたのか。」 「はい、お子さんたちも元気いっぱいで、もこもこのふわふわで可愛かったですよ。」 貰ってきたおかずを食卓に並べながら説明をする。 「今日はお帰り早かったんですね。」 嬉しくなってついそう口から出た。 「ああ。」 短く時雨様が答える。 時雨様は、俺の作った大して上手では無い煮物を残さず食べて下さった。 今日だけでは無い、いつもそうだ、彼はとても優しい。 食器を台所で洗い、お茶を盆に乗せ、時雨様を探す。     
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