第51話「第3聖霊:金剣の恒星」

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「どう、して……」 尋ねると彼は酷く疲れた表情ではあるものの微かに笑い 「言ったろ。竜種の装甲と体力舐めんな、ってな」 「まさか……“超再生”!?」 彼の言葉にフェリシエル嬢が瞠目した。 「そんな馬鹿な……!まさか、あれを受けて、装甲が無事だったとでも言うのっ!?」 「はん、当たり前だ。竜の鱗は本来、溶鉄の温度にも耐える。まあ、今はそれ程頑丈じゃねえが……それでも“再生しながら耐える”事くらいは出来んだよ」 「そんな、無茶苦茶な!!」 甲高い声で現実を拒否する彼女。 一方で置いてけぼりの私は彼に問うた。 「どういう、事、ですか?」 私の声に赤い瞳が向けられる。 「説明した通りだ。確かにアレは超高温の熱で鱗を溶かし、肉を焼き骨を溶かす。が、焼かれる端から適時再生してりゃ、今の俺でも耐えられねえ事はねえ。……まあ、お陰で折角小細工して溜め込んだ魔力を、軒並み使い切っちまったがな」 ほんと参った。と苦い口調で語る。 「……じゃあ、もう……大丈夫……なの?」 「あ?ああ。見ての通りだ」 ピンピンしてる。と、彼は尻尾を振った。 フリフリと好調に揺れるそれを見て、私は緊張と安堵と、その他諸々の感情が決壊し、ボロボロに泣きじゃくりながら彼に抱き着いた。 「ルーちゃぁあんっ!!」 「うおっ!?な、なんだ!?」 「うぇえん……!良かったよぉう……!」 「あ?ああ?」 何故私が泣いてるのか分からずに戸惑う彼。 そんな姿も嬉しくて、私は人目も憚らずに大泣きした。 「あー……なんか良く分かんねえけど、よしよし、泣くな泣くな」 「うぇえん……!」 「だーから、泣くなって……」 心底困った様子の彼にしがみついていると、呆然としていたフェリシエル嬢がハッと我に返った。 「ま、まだよ!まだ、終わりではありません!!」 「あ?なんだ。まだやんのか?」 「当たり前です!依然私の優位に代わりはありません!!それなのに、勝負を投げる必要など、どこにあるというのですっ!?」 「つってもテメェの魔力、もう素寒貧だろうが」 「なっ!!」 指摘を受け彼女は盛大に固まる。
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