2733人が本棚に入れています
本棚に追加
/425ページ
そんなことを思い出していたせいだろうか。
「あ……れ……?」
まだキスをされているだけなのに、自分の身体が持て余すほど熱く高ぶってしまっていることに気付いて、漣は焦った。
激しく、息もできないぐらいに唇を貪られているうちに、触れられてもいない中心が、すでに痛いほどの質量を持ち始めている。峻介のキスにはいつもあっけなく蕩かされてしまう漣だったが、ここまで敏感に感じてしまうのは初めてだ。
何で俺、こんなに感じてんだ? 半ば怖くなり、漣は反射的に身体を離そうとした。逃すまいとするかのように恋人の腕に力が込められるのは当然の反応で、結果、より強く抱きすくめられる形になってしまう。そのはずみで、もはや隠しようもなく固く張りつめた下肢が、峻介の腿に当たった。
恋人の動きが一瞬、止まる。
峻介は唇を離した。彼にしてもさすがにこの感度の良さは予想外であったらしい。軽い驚きの表情で見つめられ、たまらなく恥ずかしくなる。赤くなって視線を落とすと、ふっと笑う気配と共に、再び抱きしめられた。
「可愛いな、漣……」
耳元で囁かれ、またしても唇を奪われる。そうして再び激しく貪りながら、恋人はためらいもなく、熱を持った下肢に手を伸ばそうとした。
「ん……っ、だめ……だ…っ、城築さん」
こんなところで達くわけにはいかない。漣はキスの合間にどうにか抗議の声を上げ、その手を掴んだ。しかしそうするまでもなかった。
再び舌を捉えられて、強く吸い上げられた瞬間、背中から腰に甘く痺れるような電流が走り、触れられもしないまま、彼は達してしまっていたからだ。
最初のコメントを投稿しよう!