アフターストーリー14

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アフターストーリー14

 その後はもう容赦もなく、恋人の部屋に連れて行かれ、ベッドに押し倒された。  スプリングに弾んだ身体を押さえつけられ、狂ったようにまさぐられる。その手のひらがひどく熱く感じられた。恥ずかしいような音を立てて素肌を吸い上げ、痛いほどの刺激と薄赤い痕を次々に残してゆく唇も……。  熱くせわしない息づかいの合間に、何度も自分を呼ぶ掠れた声がたまらない。恋人はもう、いつもの穏やかな笑みを浮かべる「峻さま」ではなくなっていた。  いつも完璧なまでに優しく、生真面目で礼儀正しい恋人が、このときばかりは獰猛な牡の顔を見せる。その変化が漣をたまらなくさせる。  初めて抱かれた時も、それにやられた。ずっと静かな瞳で与え続けるばかりだったこの人が、別人のように激しく自分を求める姿を目の当たりにして、本当に愛されているのだと胸が熱くなった。  この人にならどんなに奪われたって、何をされたってかまわない。その気持は今も変わらないどころか、どんどん強く、揺るぎないものになってゆくのだから始末が悪い。 「漣、もう、我慢できない。かまわないか?」  いくらも経たないうちに耳元で性急に囁かれ、全身を震わせながら、漣はうなずいた。  とたん、穿いていたジャージを下着ごと下ろされる。さっきたっぷり放ったものが空気に晒される感覚に、いらぬあれこれを思い出してしまい、思わず真っ赤になって顔を覆った。なのに峻介は容赦なく、そのぬめりに指を滑らせてくる。 「これなら、ローションは要らないな」  峻介は意地悪く囁いて甘く漣を悶えさせ、そのまま奥へと指を進めた。本当に、恥ずかしいぐらいに濡れてほころんだその場所は、なんの抵抗もなく恋人の指を受け入れてしまう。 「あ……っ、やだ…っ、城築さん――」  いまだ中心に触れられてもいないのに再び湧き上がる甘い感覚に、漣は本能的に拒否の声を上げた。しかし、それが本当の拒否ではないことは、とうに恋人に知れている。そのまま身体を引き起こされ、恋人の腿をまたいだ膝立ちの姿勢で、より深く指で貪られた。
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