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「でも、君に呼ばれるのは本当に違う。驚くほど特別に響いて、たまらなくなった。さっきは思わず爆発しそうになって、君から離れてしまったんだ」
「ば……バクハツ?!」
彼らしからぬ過激な言葉に、漣もぱっと赤面する。そして思わず呟いた。
「べ、別に……爆発してくれても、よかったんだけど……」
「とんでもない。せっかく君が名前を呼んでくれたのに、このまま終わらせてしまうのはもったいなさすぎるだろう」
大真面目に峻介は答え、間近に漣の瞳をのぞき込む。
「漣、もう一度、呼んでくれないか……」
とろけるような眼差しと低い声で乞われ、再び身体の中心に火が点くような心地に襲われながらも、漣はあわててかぶりを振った。
「む、無理だよっ!! さっきはアタマ飛んでたから思わず呼んじまったけど」
「そうか、頭が飛んでいたら、呼べるんだな」
恋人の瞳に、不敵な笑みが浮かぶ。
しまった……と漣は思った。
いつもはどこまでも優しい恋人だったが、ベッドの中では時おり、とんでもなく意地悪になるのだ。
どうやら、そのスイッチを押してしまったらしい。
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