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アフターストーリーあとがき
『君に恋のチカラを』アフターストーリー、最後までお読みいだたき、ありがとうございました。
本編と同じく、ラストシーンは朝の一幕になりました。本編では漣が峻介を送り出していたのですが、こちらでは峻介が仕事に出かける漣を送り出す側になっています。決して狙ったわけでもないのになぜかそうなってしまい、同じパターンというのはどうかと悩みつつも、これも何かの符合かもしれないと思い、そのまま書かせていただくことにしました。
ともあれ、どうにかラストまで来ることができて、ほっとしています。
本編のおまけのつもりで、プロットも立てず書き始めたこのお話。漣と大志が峻介に連れられて草准宅を訪ねるというだけの、シンプルな短いストーリーにする予定でした。
なのに漣の視点で書き始めたとたん、書きたいことや気になることが次から次へと溢れ、収拾がつかなくなる事態に……。焦りました。
本編のあの日あの時、漣はどんな気持でいたんだろう、自分と峻介に起こる様々なことを、どう受け止めていたんだろう……。そんなことを考え始めるともはや止まらず、一時は漣視点版の『君恋』をフルで書いてしまいそうな勢いでした。
さらには峻介の二度目の選挙のことや、この2人の職業や立場の違いについてなど、書かずにはいられない様々な事柄が浮かんできて……これも書こうか書くまいかでずい分悩みました。
そしてようやく3人を草准宅まで連れてくることができたかと思えば、この叔父さんが大活躍を始め、この家でのシーンが思いのほか長くなってしまったことも誤算でした(いや、嬉しい誤算でしたが)。
このお話を書いている間、私は「何を書くべきか」ではなく「何を書かずにおくべきか」で、ずっと悩んでいたような気がします。
結局は悩んだ挙句、多くを書いてしまうことになったのですが……orz。
でも、書いてよかった。作者としては、本当に書いていて楽しいお話でした。
漣は、峻介の前では男前なところしか見せなかったくせに、内面は意外に複雑で可愛いところのある男の子で、本当に興味深かったです。でも結局は峻介のことが好きで好きでしょうがないのだということを「もういいよ」ってぐらい実感させてくれて、最初から最後まで、にまにま、ホクホクしながら書かせていただきました。
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