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「あ!! あっ!!」
漣は掠れた声を上げて背をしならせ、峻介にしがみついた。同時に、彼を受け入れた中が熱く震え、強くしめつける。久しぶりのその感触はあまりに刺激的で、峻介は少しの間じっと絶頂を堪えねばならなかった。
しかも困ったことに、漣は少し焦れたのだろう、半ば無意識のように小さく腰を揺らして、彼を誘ってくる。
「れ……漣っ!! そんなにされると……っ」
思わず声が裏返る。漣は真っ赤になって「ご……ごめん」と詫びてきた。欲情に目元を染め、瞳を潤ませたその顔を見ると、もう我慢できず、峻介はぐっと奥へと腰を進めた。
そのまま、激しく恋人を貪ることを、彼はやめられなくなった。
奥へと突き入れて何度も揺さぶり、しめつける感触に我を忘れる。こうしていることがなんだか夢のようで、幾たびとなく愛しいその名前を呼んだ。漣もまたそのたびに、甘い喘ぎと共に名前を呼び返してくれるのだった。
もう、そう長くもつはずもなかった。
「城築さん、俺……っ、もう、達きそう……」
声にならない声で、先に絶頂を訴えたのは漣の方だった。よほど追いつめられていたのか、彼らしくもない直接的な物言いに、ただでさえ限界に近かった峻介の欲望もまた、どうしようもなく煽られる。
「僕もだっ!! 漣。もう我慢できない」
早口で言葉を返し、すでに立っていられなくなった漣の身体を強く抱きしめて、激しく揺さぶった。彼の肩に両腕を回して必死にしがみつきながら、漣はうわごとのように思いを伝えてくれる。
「好き……っ、好きだよ。城築さん…………峻……っ!!」
恋人がめったに口にすることのないその呼び名を耳にし、一瞬にして限界が訪れた。
「僕も……好きだ……。たまらなく…好きだ……漣」
自分でも持て余すほどの欲望の爆発に翻弄されながら、あふれる思いを切れ切れに口にする。ほとんど同時に、甘く掠れた声がして、2週間の旅を共にしたスーツに、恋人の白濁が飛び散った。むしろその様が愛しかった。
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