番外編『Long Long Distance』4

4/9

2733人が本棚に入れています
本棚に追加
/425ページ
 繋がりを解いた後もどうにも離れがたく、峻介は漣の身体を壁に押しつけたまま、じっと抱きしめていた。  しかし不意に、大切な言葉を伝え忘れていたことを思い出し、少し迷ったが、身体を離して恋人の目を見つめ、口を開く。 「漣……ただいま」  漣は小さく目を瞠ったが、くしゃっと表情を綻ばせ、言葉を返してくれた。 「お帰り……城築さん――」  そうして2人、額を合わせ、どちらからともなく吹き出したのだった。
/425ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2733人が本棚に入れています
本棚に追加