1章 マジかよ。(亮太side)

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1章 マジかよ。(亮太side)

「すみません。どちらさまでしたっけ?」 目の前の幼なじみ 坂上 雅(さかがみ みやび)が、キョトンとした顔で尋ねる。 何の冗談か分からないが、冗談には乗ってやる。 「蘇芳 亮太(すおう りょうた)だよ!お前の幼なじみで、恋人だろうが!」 俺の小学校時代からの想いも交えて。この思いは高校生入学と一緒に諦めたつもりだったが、今なら冗談かとして聞こえるだろう。 「何言ってんだよ!」なんて帰ってくると思っていたら、予想外の反応が帰ってきた。 「え?マジ?」 顔を真っ赤に染めて。 びっくりして声が出せなくなったが、さらに こいつは続けて 「あ、ていうか、その、俺の名前って何でしたっけ?」 なんて言うから、さらに声が出なくなった。 マジかよ。
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