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ただ、それだけの意味なのだろうか?
それで生きるべき?
どうも引っかかるが、所詮男女の差、と割り切ってもよいのか?
ただ残念ながら、これ以上考慮している暇が無かった。
「そうか、わかった。好意、ありがたく受け取っておこう。なんとか生き残れるように、努力する。じゃあな」
それだけ言葉を並べ、俺は再び背を向けて走り始めた。
今度は麗も、なにも言わなかった。
俺はキチンと意図を受け取れたのだろうか?
気がかりなのが、残念だった。
俺は麗を、自分が思っていた以上に見くびっていたのだろうか?
最後に、生田の呟きが聞こえた。
「麗くん。彼は、わからないよ?」
どうもああいう連中の言葉は、日本語を越えているように感じられた。
階段から真っ当に降りるつもりなんてなかった。
間違いなく騒ぎで大混乱だろうし、そんな建物から出てきたら事情聴取は免れないだろう。
そんな暇はない。
だから裏手の、非常階段を使った。
無駄かもしれないがと場所を調べておいた成果が出た。
そしてひとつ下の一年生の教室が集まる3階に、出た。
やはり、大混乱だった。
「……こいつは、」
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