第1章

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 ただ、それだけの意味なのだろうか?  それで生きるべき?  どうも引っかかるが、所詮男女の差、と割り切ってもよいのか?  ただ残念ながら、これ以上考慮している暇が無かった。 「そうか、わかった。好意、ありがたく受け取っておこう。なんとか生き残れるように、努力する。じゃあな」  それだけ言葉を並べ、俺は再び背を向けて走り始めた。  今度は麗も、なにも言わなかった。  俺はキチンと意図を受け取れたのだろうか?  気がかりなのが、残念だった。  俺は麗を、自分が思っていた以上に見くびっていたのだろうか?  最後に、生田の呟きが聞こえた。 「麗くん。彼は、わからないよ?」  どうもああいう連中の言葉は、日本語を越えているように感じられた。  階段から真っ当に降りるつもりなんてなかった。  間違いなく騒ぎで大混乱だろうし、そんな建物から出てきたら事情聴取は免れないだろう。  そんな暇はない。  だから裏手の、非常階段を使った。  無駄かもしれないがと場所を調べておいた成果が出た。  そしてひとつ下の一年生の教室が集まる3階に、出た。  やはり、大混乱だった。 「……こいつは、」
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