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(!!!!!!!!!!)
私はどうして良いか分からずに息を止める。それを吐き出すことも、飲み込むこともできない。もういっそ、口の中で霧のように溶けて私の一部になって欲しい。
飯田さんはゆっくりと顔を離し、また頬杖をついて面白そうに私の顔を見た。
「子供の大島には間接タバコ」
「…………か……んせ」
飯田さんはそれ以上何も言わずに再びタバコを咥え、テレビへ顔を向けてしまった。吹き替えの声が何か叫んでいるが、少しも頭に入ってこない。燃え上がるように熱く火照る頬と耳。
(間接なんて……味、分かる訳無いよ)
唇を噛みしめ斜め前の横顔を見る。一重の瞳、ほうれい線の目立つ頬、タバコを咥える薄い唇。
今日のこの呑みに意味が無くても、間接タバコが単なる遊びだったとしても。
やっぱり飯田さんが好きだ。
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