0人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい、お前たち。もう本鈴が鳴ったぞ」
淡々と、しかしキッパリとした口調で釘をさしてきたのは、中武真吾（なかたけ しんご）。委員長だ。この専科クラスの委員長に加えて、通常授業クラスの委員長も務めている。
濃紺の細いフレームの眼鏡、清潔感あふれる髪型、キッチリと着こなした制服、定規が入っているんじゃないかと思うくらい真っ直ぐに伸ばした背中――どれをとっても、しごく真面目そうで、委員長と聞いて思い描く姿そのものだ。
委員長という肩書きが、これほど似合う人間は、彼をおいて他にいないだろう。委員長の中の委員長、生まれながらの委員長、それがシンゴだ。
本編に続く
最初のコメントを投稿しよう！