放棄耕作地

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ここは、田園地帯である。大昔は海だった所が、地殻変動と共に隆起したので、葦が広がる沼地になった。そこへ昔の人が稲を植えて田んぼとした。それが腰まで水に浸かるので、耕作としては効率が悪い。それを乾田化して、農作に効率的にしていった。 その後、政府の減反政策で畑へと転換する田んぼが出てきた。この辺りは、水田と野菜畑が広がる田園地帯となった。 しかし、耕作者が高齢化して耕作放棄地が増えた。耕作者が寝たきりになったり、亡くなったりして田畑には雑草が生い茂るようになった。 この辺りは近くに沼を開拓した港があるので、外国人船員が買い物に出歩くのだ。その事自体は珍しい事ではない。 外国には外国の事情がある。一体誰が始めたのか、空き地にスクラップを置いて商売するようになった。それがちゃんと収支が黒字になるビジネスとなっていた。戦争や政治的な事情で、新製品を購入する経済力がないから、中古品を購入し、それを修理・販売する仕事がその国で成り立っていた。     
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