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他にも麻薬がある。予め、沖合に停泊してる船に検査官が小舟から乗り移って船内を詳しく調べる。麻薬が見つかれば、それも新聞に載る。しかし、どこに抜け穴があるのか、麻薬や拳銃を隠し持ってる所をお巡りさんに見つかって逮捕されたという記事も出る。
麻薬や武器は店とは関係ないのだが、地元住民には密売ルートに見えるらしい。地元住民の目は中古車店に勤務する従業員に向けられるのであった。
それならば、港湾施設で働く作業員も同じ穴のムジナであるはずである。船倉へ出入りして、食堂で休憩してるのだから、船員と関わる仕事には変わりない。船員から未通関で手に入れた商品を販売してるのであろう。大企業だから、全員が地元出身者とは限らない。派遣・出張が当たり前の世界では、他町内出身者がその港湾施設で働いているはずである。
大きな団体にモノを言えず、より弱いグループに捌け口を求めている地元住民の卑しさに腹を立てる中古車店従業員が少なくない。「嫌なら他へ家を買って引っ越ししろ!この田舎者が!」と火焔を上げる者が出てきた。
一見田んぼばかりの広大な土地で、こういう三つ巴のドラマが延々と続くのである。これは、船員の家族にも情報として伝わる。幼い息子もそれを聞いて成長するのであった。夏休みになると、父親が働いている船に乗る幼い息子が、次世代を担うのである。
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