ー 3 ー

14/20
前へ
/69ページ
次へ
その日僕は遅番だった。そして、もう一人の遅番は、佐竹さんだった。 僕は、その日は何故か、どうしてもイヤな予感しかしなかった。 そして、そのイヤな予感が的中した。 高梨さんが上がり、小嶋さんも上がって、お店には僕と佐竹さんの二人になった。 今日は朝からお店は暇だった。その暇が一日続き、そのまま駅ビル全体が閉店を迎えた。 僕は、商品の入れ替えや、片付け、掃除などをしている間、佐竹さんはレジ締め作業をしていた。 全てが終了して、佐竹さんと二人でロッカールームへと降りた。 その薄暗い階段の途中で、佐竹さんは僕を誘ってきた。 「鈴木くん、今夜これから時間ある?」 僕は、吉川くんの話を思い出し、心臓が強く脈打ち始めた。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加