53人が本棚に入れています
本棚に追加
佐竹さんの飲むペースが半端ない。僕は、潰れないためにも、ゆっくり自分のペースで飲んだ。
「なに?鈴木くん、飲んでないじゃない!飲みなさいよ~」佐竹さんは、せっせと僕に酒を飲ませようとする。
もしかして佐竹さんは、酔ってきたふりをしているんじゃないか?
「佐竹さん、お酒ばかりじゃなく、食べてくださいよ。じゃないと変に酔いが回りますよ」僕は忠告したが、彼女は生からチューハイに変えた。
そして、着ていたロングのギャザースカートの裾をグイッとたくし上げ、太ももの途中まで丸出しにして、足を伸ばした。その爪先が、僕の胡座をかいた膝に当たる。
僕は冷静に、「佐竹さん、あまりお行儀が良くないですよ」と笑って言った。
「あら!鈴木くんてお利口さんなのね~私、利口で行儀がいい男って、大好き」
これ、完璧に僕を誘ってるよな。
「それはどうしてですか?」
「う~ん、その化けの皮を剥がしてやりたくなるの。ふふ」
高梨さんのご主人も、真面目そうで爽やかなタイプだったな。
僕はカマをかけた。
「佐竹さんって、他人のモノを奪いたくなるタイプじゃないですか?綺麗だし、酔ってると色っぽいですよね」そんな事を話す自分に、寒気がした。
最初のコメントを投稿しよう!