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艶かしく、限りなくわざとらしい照明で照らされたベッドに、僕は乱暴に佐竹さんを放り投げた。
「きゃ……」一瞬、彼女が怯んだ。
僕は彼女に覆い被さるように、彼女の両肩の上方に両手をつき、言った。
「他人の旦那さんを寝取るなんて、あまりいい趣味ではありませんね」
佐竹さんは、目を大きく見開いて、僕を見た。
「さっき僕、言いましたよね。どうなっても知りませんよって」
佐竹さんは赤く濡れた唇をひと舐めすると、「私を抱いてくれてもいいのよ」と僕を見て囁いた。
「抱く?いいですよ。その代わり、条件があります」
「え?条件……?」
「あの人の旦那さんから手を引いてください」
「あの人って?」佐竹さんはとぼけた。
「たくさんいすぎてわかりませんか?」
「何言ってるの?鈴木くん……」
「僕が知ってるあの人って言ったら、一人しかいませんよね」
「あ……」
「気がつきましたか?佐竹さんが苦しめてるあの人」
佐竹さんの目の色が変わった。どこかうろたえている。
「さあ、誰の旦那さんですか?言ってください」僕は迫った。
「ま……舞子……?」
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